導入事例・お客さまの声

苦境を乗り越えつくり続けた銘菓を未来につなぐ 松月堂 様

『クワトロフォーマー』『レベントロータリーラックオーブン』の導入で半日以上の時短に成功!

株式会社 松月堂 様(福島県南相馬市原町区)

四つ折りパイ「浮舟城」1個140円(税別) 成形後表面にグラニュー糖をまぶし、十字型の切れ目をいれて焼成するのが特徴。この商品は平均で1日に1,000個を売り上げる。名実ともに同店の看板商品である。 四つ折りパイ「浮舟城」1個140円(税別) 成形後表面にグラニュー糖をまぶし、十字型の切れ目をいれて焼成するのが特徴。この商品は平均で1日に1,000個を売り上げる。名実ともに同店の看板商品である。

代表取締役社長 横川 徳明 様代表取締役社長 横川 徳明 様
一千有余年の歴史を誇る祭り、相馬野馬追でも知られる福島県南相馬市。ここに、子供からご年配の方まで多くのファンが愛してやまない銘菓がある。それは、クルミ入りの上品なこしあんを四角い折りパイの生地で四つ折りに包み込んだお菓子、「浮舟城」だ。この銘菓こそ、今回取材に訪れた松月堂の三代目にして現社長である横川徳明様が考案した逸品で、相馬地域が生んだ文化として親しまれている。ここ松月堂様は、今年107年目をむかえる老舗菓子店。東日本大震災という大きな苦境を乗り越えて、今も地域の方々に愛される銘菓をつくり続けている。


銘菓誕生
まずは、銘菓「浮舟城」の誕生秘話から聞いてみた。「私が菓子の修業を終えて帰ってきた50年ほど前でしょうか、当時東北にも高名な名物菓子がたくさんありましてね、自分もそんなお菓子を手掛けたいという一心で考えたものなんです。実は修業時代には、和菓子と洋菓子の両方を習ってたもので、うまくこの四つ折りパイにたどり着けたと思います。和菓子の感覚だけだと、あんこにバターを入れるような発想はしなかったでしょ。それでお店を構えていた小高町(現南相馬市小高区)のシンボル『小高城』の別名だった『浮舟城』にちなんで菓子の名前にしたんです」。横川社長は、開発当初が蘇ったように目を輝かせた。では、実際にお客さまの反応はどうだったのかも続けて聞いてみた。「最初は、まったく売れませんでしたね。うちも和菓子屋だったでしょ、そこでお饅頭が1個10円で売っていた横で『浮舟城』は、1個45円で発売したんですよ。そりゃお客さまもすぐに飛びつきませんよね(笑)。でもね食べてみてもらえればこの価値がわかってもらえるという自信はありました。だからやめなかった」。横川社長の言う自信というキーワードには、開発者にしかわからない確かな感触があったに違いない。現実に「浮舟城」は、じわじわと浸透し、今や地域を代表する銘菓として多くの人に親しまれるようになったのである。

苦境を転機ととらえる
看板商品「浮舟城」にけん引され順調に営業展開されていた松月堂様であるが、2011年東日本大震災での被災という苦境に直面する。横川社長はこう振り返る。「うちも小高町に拠点(本店・生産工場)があって、すべてだめになりましたね。それで、店舗のあったこの原町のほうに避難してきたんですけど、正直『廃業』も考えました。これは、いたしかたないことなんだと。ところがね、すでに菓子業界に身をおいていた息子2人が言ってくれたんです。100年続く老舗をここで終わらせるわけにはいかない、自分たちががんばるから続けようって。この2人がいなかったらここまで出来なかったですね。感謝しかないです」。洋菓子を学ばれた長男・純一様と和菓子を学ばれた次男・裕信様という強力な布陣のもとに再出発をはかられた松月堂様だが、生産拠点そして設備を失ってのまさにマイナスからの船出を余儀なくされた。今でこそ社会現象として言われる「人手不足」だが、当時、同店にも、被災という究極の「人手不足」が襲い掛かっていた。この窮地をどう乗り越えたのかを横川社長に聞いてみる。「生産設備も一から考え直しました。当然、人手の確保は期待できなかったので、とにかく人手が最低限で済んで、しかも効率の高い設備を入れよう。苦境ではあるけど、将来に向けて良い転機と考えようと思ったんです」。

半日以上の時短に成功!
こうした経緯があり、銘菓「浮舟城」の新しい生産システムとして、弊社の四つ折り成形機「クワトロフォーマー」と「レベントロータリーラックオーブン」をご導入いただいた。導入について和菓子工場を担当する、次男で専務取締役の裕信様はこう話してくれた。「これまでの成形機の使い勝手が悪くて、四つ折りした後に手直ししたり、成形に時間をかけていると生地がだめになり、かなりのロスがでていました。早くレオンさんから四つ折り成形機が発売されないかと心待ちにしてましたよ。それが、震災後にタイミング良く『クワトロフォーマー』のご紹介をいただいて、早々に導入いたしました。今は、女性の担当者1名でやってもらってます。とにかく折りの精度が格段に良いので、手直しがまったくいりません。また、パイ生地をうまく投入してやれば耳生地もほとんど出ませんので歩留まりが本当に良くなりました。これは、半分オペレーターの技術力ですかね(笑)。それと一緒に導入した『レベントロータリーラックオーブン』の効果も大きいですね。導入前は、午前中に仕込んで、成形して、固定窯で焼成してましたので午後の3時過ぎまでかかってました。当然包装は翌日です。今は、1000個(1日の生産分)つくるのに、『クワトロフォーマー』の成形で1時間弱、その後は、『レベントロータリーラックオーブン』での焼成が2回(1時間弱)で終了なので、午後3時には包装まで終わります。まさに半日以上の時短成功ですよ」。

総合力で未来につなぐ
最後に横川社長がこんな話をしてくれた。「うちは、長男が洋菓子、次男が和菓子とそれぞれの専門家がいて販売も良いスタッフがそろっている、この総合力が強みなんですよ」。きっぱりと言いきる、この総合力こそ松月堂様が未来に向けて銘菓を育み、継承していく原動力になることは間違いない。
 


松月堂様は、震災復興後の新工場に、「浮舟城」の生産設備として、四つ折り成形機「クワトロフォーマー」と「レベントロータリーラックオーブン」を同時に導入された。「クワトロフォーマー」で自動で成形して出てきたものを、天板に5個×7個の計35個並べる。これを1台、18段のラックに差し一気に焼き上げる(1回に630個仕上がる)。焼成は、220℃で24分30秒。こちらでは、「浮舟城」を1日に平均1,000個強つくっている。成形に1時間弱、焼成に1時間弱(レベントオーブン2回分)で生産が完了するとのこと。「クワトロフォーマー」と「レベントロータリーラックオーブン」の組み合わせによって高効率の生産システムが構築されている。
クワトロフォーマークワトロフォーマー
レベントロータリー ラックオーブンレベントロータリー ラックオーブン


「クワトロフォーマー」による「浮舟城」生産の流れ

(1)あらかじめシート成形したパイ生地をロールの状態でセットする。
生地は随時ブッキングしていく。

(2)パイ生地シートは2列の状態で成形へ。

(3)デポジターであんこが定量で吐出される。

(4)あんこがのせられたパイ生地シートは、スクエアに分割され、折り工程へ。
スポットで点滴が落とされ折りのはがれを防止する。
精度の高い折り工程でキレイな四つ折り状態に成形される。


火星人「CN580」もフル稼働!

松月堂様は古くから火星人ユーザーでもある。取材日は、一口サイズのソフト黒糖饅頭を生産していた。専務・横川裕信様は「レオンさんは、機械を売るだけじゃなくソフトの提供やアドバイスをくれるので頼りにしています」と語る。火星人と固形物包あん装置などのオプションを駆使して40アイテムの定番菓子をつくっている。「浮舟城」にならぶ銘菓をと、日夜研究開発にも余念がない。



本店内。お店には年間通して和洋菓子 400アイテムがラインアップする。本店内。お店には年間通して和洋菓子 400アイテムがラインアップする。本店外観。本店には生産工場を備える。 店舗はほかに桜井店と相馬イオン店の 計3店舗。本店外観。本店には生産工場を備える。 店舗はほかに桜井店と相馬イオン店の 計3店舗。
写真右から、常務・純一様、社長・横川徳明様、社長夫人・千代様、専務・裕信様、 専務夫人・華織様。松月堂様はご家族を中心に総合力で前進する。写真右から、常務・純一様、社長・横川徳明様、社長夫人・千代様、専務・裕信様、 専務夫人・華織様。松月堂様はご家族を中心に総合力で前進する。
 

つつむ No.155号 (2018年10月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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