導入事例・お客さまの声

一貫したレオンシステムで 生産体制を確立  株式会社 向山製作所 様

独自の発想で、みんなに愛される福島ブランドをつくる

株式会社 向山(むかいやま)製作所 様(福島県安達郡)

大玉ベース店内。 スイーツの物販コーナー 左奥には、ベーカリーとカフェを備えた、ゆったりとしたスペースが広がる。大玉ベース店内。 スイーツの物販コーナー 左奥には、ベーカリーとカフェを備えた、ゆったりとしたスペースが広がる。福島県安達郡大玉村。国道4号線を郡山から福島方面に向かう途中、街道沿いからひときわ洒落た風貌の建物が目に飛び込んでくる。何かのミュージアムだろうか?そう思わせる建物は、周囲の長閑な風景とは対照的で異彩を放っている。午前9時、「向山製作所」のブランド名が刻まれたその建物に、待ってましたとばかりに多くの人が吸い込まれていった。私もその人並みに身をまかせるようにエントランスを入ってみる。するとそこには、ブランド名からはおよそ想像もつかない、お菓子とパンのワンダーランドが広がっていた。ここは、スイーツ物販、ベーカリー、カフェを備える向山製作所大玉ベース店。今や県外からもお客さまが訪れる「食」の人気スポットになっている。この話題のお店で、いち推しは何ですか?と聞くと必ず返ってくる商品名がある。「生バターサンド」だ。今回、ブレイク中の「生バターサンド」について、製造責任者である同社フード事業部の相良栄二様にお話を伺う機会をいただいた。早速リポートしていきたい。

  
フード事業への挑戦
向山製作所様は、1996年に社長の織田金也様が電子部品を製作する会社として起業したのが始まりだ。その後、世界経済を巻き込んだリーマンショックがあり、社員の雇用を守るために同社が講じた一策が、フード事業への進出だった。今回取材させていただいたフード事業部の相良様はこう話してくれた。「弊社の社長は、『食』に大変興味があり、社業の傍らに食品の勉強もしていました。窮地の折には、食品の分野で道を拓いていきたいという考えがあったのだと思います。当時、私は調理師専門学校の菓子コースで講師をしていまして、そこでお誘いいただきました。社長はとても前向きな人で、お菓子づくりは、つくる人も食べる人もワクワクさせる、夢がある業界だよねっていうところで共感したのを覚えています。私も共に挑戦してみたいと思いました」。


「マルチサンドライン」で生産する「生バターサンド」のラインアップ。
定番6品(プレーン、葡萄、抹茶、胡麻、胡桃、珈琲)4個入り680円。季節限定品(ショコラ)4個入り740円。(価格はすべて税別)。「生バターサンド」は、白あんをベースにした和テイストが特徴で、食べた時に溶けるような食感が人気を呼んでいる。その「生」の食感を求めて多くの方が「向山製作所」の店舗に足を運ぶ。同社は、電子部品事業もフード事業も同じ「向山製作所」のブランドを使用している。これは、創業時の事業と新しい事業との両輪で発展していきたいという願いと、決して原点を忘れないという思いが込められたものだという。 

 
生キャラメルの成功
こうして、お菓子の製造に乗り出した同社は、鍋一つから始められる「生キャラメル」で、その一歩を踏み出した。社長様の信念と製造現場の妥協なき努力が生み出した味は、時間をかけてファンを増やし、やがて向山製作所の代名詞となる人気商品に育っていった。「この成功を足がかりに、生キャラメルをベースにしたポップコーンの発売など着実に裾野を広げていきました。この後いよいよ『生バターサンド』の開発になるんですが、ここで大きな転機がありましたね」と相良様。
 

脱「キャラメル」の発想
ある日、展示会で実演していた弊社の「マルチサンドライン」が織田社長の目にとまった。これが「生バターサンド」開発のきっかけとなる。「うちは、生キャラメルなど比較的日持ちのしない商品が多かったんです。サンド菓子なら、お土産にも持って歩けるし、いいよね。というのが最初の発想でした。当然ながら、キャラメルをベースにしたサンド菓子の試作を始めました。やっとかたちになってきたなという時でしたね、社長がこうつぶやいたんです。『うちは、キャラメルの印象が強過ぎるよね。一度キャラメルから離れてものづくりをしてみない?』。正直おどろきました。でも、社長だからというのではなく、これだけの事を成し遂げてきた人の発想だから挑戦してみようって思いましたね。結果的にこのキャラメルから離れた商品開発が品揃えを豊富にして、生キャラメル自体を際立たせることになったんですよ」と相良様は、深くうなずきながら話してくれた。そして開発中のサンド菓子のポイントについてこう続けた。「当時、和菓子の素材を取り入れる洋菓子が増えていて、あんこを使えないかと考えたんです。しかし、なかなかマッチさせるのは難しい。『白あんはどう』これも社長のつぶやきでした。やってみたら、おどろくほどバターとの相性がいいんですよ。それに、白あんはクセが無いのでバリエーションをつくりやすいんです」。こうして、多くのファンを魅了する「生バターサンド」シリーズが商品化された。
 

レオンシステムの活用
今回、工場で「生バターサンド」の生産を見せていただいた。同商品の生産には、弊社の製菓機器をご活用いただいている。生地は、火星人「CN580」に「重合ノズルソニックスライサー」を接続してデリケートな生地の形を保ったまま分割、その後「セットパンナー」で人手を介さずに天板に配列する。その天板をラックに差して、そのまま「レベントロータリーラックオーブン」で焼成。そして、焼き上がった生地は、「マルチサンドライン」にかけて自動でフィリングをサンドして仕上げる。「このレオンさんの機械とオプション、周辺機器の一貫した流れは、良く考えられているなあと、毎回感心していますよ。現在は、日産3000個ですが、このシステムがあれば、まだまだいけるという安心感があります」と相良様も思わず目を細める。



 
福島産へのこだわり
同社のつくる食品には、福島産の材料がふんだんに使われている。もちろん「生バターサンド」にも。ある新聞取材で、織田社長はこんな話をしている。「東日本大震災の後に参加したイベントで、どこから来たんですかと聞かれて、つい福島と言うのに躊躇したことがある。こんなことではいけない、我々がもっと福島を盛り上げる役目を担っていかなければ」。今や多くの人に知られる「生バターサンド」だが、この商品には地元福島とともに愛され、成長していきたいという、同社の熱い思いが込められている。  


つつむ No.157号 (2019年4月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
(C) 2014 RHEON Automatic Machinery co.,ltd.