導入事例・お客さまの声

魅力的な新商品で新たなターゲットを開拓!  株式会社 島ごころ 様

火星人「CN050」+「セットパンナー」を導入

株式会社 島ごころ 様(広島県尾道市)

株式会社 島ごころ様の本店兼工場外観株式会社 島ごころ様の本店兼工場外観広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」。そのほぼ中央に位置する生口島では、温暖な気候と日当たりのよい斜面を生かし、柑橘類の栽培が盛んに行われている。中でもレモンは生産量日本一。その特産のレモンを使用した商品展開で地域を盛り上げ、注目を集めている「株式会社 島ごころ」様。年間100万個販売される「瀬戸田レモンケーキ 島ごころ」を世に送り出した地元が誇る人気企業だ。この広島のレモンブームを牽引するお店に、9年ぶりの本格的な新商品が誕生したと聞き、早速取材にうかがった。

 
 
代表取締役社長 奥本 隆三 様
神戸で8年間パティシエの修業を積んだ後、故郷である瀬戸田町で、2008年洋菓子店をオープン。当初はロールケーキなどを中心に販売していたが、常連客から「地元食材を使ったお土産菓子が欲しい」との要望を受け、2009年ヒット商品「レモンケーキ」を開発。地域に根差したお菓子づくりをする一方で、尾道市観光協会の理事役も務め、地域の町おこしにも積極的に取り組んでいる。
第2の柱の誕生
色鮮やかな黄色いパッケージを開けると、爽やかなレモンの香りが鼻をくすぐった。しっとりやさしい生地の中には、自家製のレモンジャムと果汁を使い仕上げた特製レモン餡がたっぷり。白餡とレモンの風味が見事に調和した豊かな味わいの乳菓だ。その名は「れもん饅頭」。販売開始からわずか1年で、年間20万個も販売した島ごころ様イチオシの新商品だ。「和菓子である饅頭にいかに洋の素材であるレモンを融合させるかを工夫しました」と話すのはオーナーパティシエにして代表取締役社長の奥本隆三様。その商品戦略についてお話を聞かせていただいた。
「この商品は、お土産として数が必要なお客さま向けに開発しました。看板商品の『レモンケーキ』と同じ素材を使いながらも、よりお求めやすい価格に設定したことで『このおいしさでこの価格?!』と周囲に驚かれています」。「レモンケーキ」が1個250円なのに対し「れもん饅頭」は1個130円とリーズナブル。島ごころブランドのお菓子が手軽に楽しめるとあって、土産だけでなくデイリー商品としての需要も増加した。「スーパーなど今まで取引できなかった小売店への販路開拓に繋がりました。『レモンケーキ』に求めるのは味とブランド力ですが、『れもん饅頭』に求めるのは生産性と回転率です。そのためにレオンさんの機械を導入しました」。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
「れもん饅頭」1個130円 40g (税込価格)
白餡とレモンの風味が調和した爽やかな味わいの乳菓。こだわりのレモンジャムと、果皮を取り除いた果肉のみを搾った果汁を使うことで、雑味のないすっきりとした味に仕上げている。



機械化で不安を解消
島ごころ様では、昨年3月より火星人「CN050」と「セットパンナー」をご活用いただいている。「『レモンケーキ』一本でやっていくことへの不安の中で、もう1つの柱となる商品を効率よく生産したいと考えていたときに、火星人®と出合いました。いろいろな商品がこの1台でつくれますし、生産性も高い。これならいけると確信しました。実際、『れもん饅頭』は『レモンケーキ』の1/3の人員で生産できています。機械は人手では表現できないような軟らかくて、薄皮の商品がつくれるのも魅力ですね。『セットパンナー』で形崩れなく配列できるので、生地と餡の比重を限界ギリギリに設定できました。また、女性スタッフが多い職場ですから、女性にとって扱いやすいサイズであることも決め手でした」。
現在、週1回の稼働で、4000~8000個の「れもん饅頭」を生産している。「今はまだ『れもん饅頭』1品のみですが、これから商品数をもっと増やしていきたいと思います。そして『レモンケーキ』と『れもん饅頭』、2つの商品を並行生産できるように、設備環境を整えていくことが喫緊の課題です」。

香りが主役のお菓子づくり
株式会社島ごころ様の本店は、観光バスの立ち寄りスポットにもなっており、多い日は200人以上ものお客さまが訪れる。県内に4店舗展開するほか、駅や空港、百貨店やサービスエリアなどにも商品を卸している。年商3億8000万円。自社で生産する11種類のお菓子は、どの商品も味はさることながら、レモンの香りの豊さが特長だ。
「うちの商品の香りの秘訣は、お菓子に練り込む自家製のレモンジャムにあります。レモンは柑橘類の中でも、果汁ではなく果皮に香り成分が含まれる果実なんです。なので香りを生かしたお菓子づくりに、皮は欠かせません」と奥本社長。低農薬栽培で皮まで安心して食べられる瀬戸田レモンの特長を巧みに生かし、商品に取り入れた。「しかしレモンは大きさや形にバラつきがあるため、機械で剥くと皮の食感が思うように出なかったり、臭みが出てしまう。なのでうちでは風味を損なわせないために、皮をすべて手作業で剥いているんです」。島ごころ様では、なんと年間約30トンものレモンを手作業で加工。さらにレモンジャムの製造過程で、香料であるレモンエッセンシャルオイルの抽出も行っている。故郷のレモンを余すことなく活用したいという奥本社長の思いは、食品の枠組みを超えて商品化されているのだ。

①、② 瀬戸田本店店内。カジュアルな雰囲気の店内は、連日観光客やサイクリストなど多くのお客さまで賑わう。
③ 本店限定の「焼きたてレモンケーキ」は、サクサク・ふわふわした食感が味わえると評判。
④、⑤ 店内に設けられたイートインスペース。無料でコーヒーや特製のレモン水などがいただける。
⑥ 生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋とレモン谷のレモン畑。
⑦、⑧ 店内外の随所に施されているレモンをモチーフにした装飾。
⑨ 店内に設けられたフォトスポット。ぬいぐるみやカチューシャなどのアイテムも用意されている。




全国のレモンブームを支える
島ごころ様の取り組みは、それだけに止まらない。原料メーカーと共同開発した原料の販売も行い、さまざまな食品業界と陰でコラボレーションすることで、国産レモンのブームを支えているのだ。「『レモンのことは島ごころに聞けばなんとかなる』とよく全国からお問い合わせをいただきます。瀬戸田レモンを使ったことで商品がヒットし、経営が改善したという話を聞くと嬉しいですね」。一見するとライバルを増やすだけのように思える行為だが、奥本社長の考え方は違った。「自分たちだけが儲かれば良いという考えでは、その先の成長はありません。レモン商品の市場をより盛り上げていきたいので、他社であっても真剣に相談にのります。その中で、その商品がなぜ売れたのかを研究し、学んでいく。そうすることで自分たちに足りないものが見え、競争意識も強化できるわけです」。


 
 
 
 
 
「瀬戸田レモンケーキ 島ごころ」 1個 250円 40g(税込価格)
年間100万個販売する大人気商品。果皮ごと食べられる地元・瀬戸田レモンの特徴を生かし、果皮のみでつくられた自家製ジャムを生地に練り込んだ逸品。従来のレモンケーキとは異なり、ホワイトチョコでコーティングしないことで、より一層レモンの香りを楽しめるように工夫されている。モンドセレクション金賞など数々の賞を受賞。


瀬戸田をもっと誇れる島に
奥本社長は、最後にこんな話をしてくれた。「この島の人は、他県の人と出身地の話をするとき、島の名前を言えない人が多いんです。どうせ言っても知らないんだろうなと思って、因島や尾道など知名度のある地名を答えてしまう。でもご当地に何か有名なお菓子があれば『あそこの〇〇がおいしい島だよ』って胸を張って言えるでしょう。お菓子にはそれだけの力があるんですから。そんな島の人が自慢できるようなお菓子をつくりたいと思ったことが、すべてのきっかけだったんですよ」。
【瀬戸田をもっと誇れる島にしたい】という経営理念のもと、日々挑戦を続ける島ごころ様。特産レモンを軸にしたこだわりの商品展開で、これからも地元・瀬戸田の名を世に広めていく。  


つつむ No.158号 (2019年7月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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