導入事例・お客さまの声

~120周年企業の新たな挑戦~  米屋 株式会社 様

地元と共に成長を続ける

米屋(よねや) 株式会社 様 (千葉県成田市)


関東三大本山の筆頭であり、「成田のお不動さま」の名で親しまれている成田山新勝寺(しんしょうじ)。その門前町として江戸時代より栄えた表参道は、日々多くの参詣客で賑わう。この情緒漂う参道で一際賑わいを見せるのは、栗羊羹(ようかん)で名高い米屋株式会社様が営む「なごみの米屋 總本店」。蔵造り風の明るく広々とした店内には、多い日には6千人ものお客さまが訪れる。地域に根差し、ここにしかない美味(おい)しさを追求することで歴史を紡いできた同社は、2019年4月に創業120周年を迎えられた。節目の年に新たな風を吹かせるのは、5代目代表取締役社長の諸岡良和様。企業継続についてのお考えや、魅力ある商品づくりについてお話をうかがった。

 

成田山参道に米屋あり
米屋様の創業は1899(明治32)年。創業者・諸岡長蔵(ちょうぞう)氏が、鉄道の開通により隆盛期を迎えた成田山参道で、参詣客向けに羊羹を販売したのが始まりだ。当時の参道では、上げ底、呼び売り、かけ売り商法が横行し、粗悪品も多く乱売されていた。この様態を憂いた長蔵氏は、これとは全く対極の商法を採る。顧客本位で薄利多売、品質本位の想いから、値引きの余地が無い高品質な栗羊羹をつくり、「一切値引不仕候(いっさいねびきせずそうろう)」の営業方針と共に売り出したのである。その裏表のない清廉なスタイルは、徐々にお客さまの信頼と同業者の賛同を得、指名買いされるブランドへと成長を遂げていった。そして長らく積み重ねてきた信頼は、時代が移り変わった今もなお、しっかりと受け継がれている。
 

企業継続の秘訣(ひけつ)
早速、企業継続の秘訣についてお聞きした。「創業から今に至るまでの苦労は相当なものだと聞いています。特に戦中戦後の人も設備も原料もない時代の苦難は聞きしに勝るものだと。こうした時代時代の難局は、いかに世のため人のためになるかを考え、努力を続けることで乗り越えてきたと聞いていますので、私も先人に倣(なら)い、その信念を貫きたいと思います。あとは何があってもやってやる! という強い意志を持つことも大切ではないでしょうか。私も自身の生活以上に従業員の皆さんの生活を守らなければならないという社会的な使命を強く感じております。経営において何が正しいのか、どうするのがベストなのかを的確に見極め、従業員とのチームワークで、次の世代により良い状態でバトンを繋ぎたいと思っています」と語る諸岡社長からは、歴史と未来を背負う強い気概が感じられた。
 
 
おいしくて可愛(かわい)い看板商品
企業の継続と共に、順調に商圏を拡大させていった米屋様。現在、県内25カ所に路面店とインストア店舗を構えるほか、直営の観光センターと、スーパーやコンビニ向けの流通和菓子を扱う別ブランド「和(なご)ーみ」も展開。その年商は87億円にのぼる。約200種もの自社アイテムの中で、千葉土産として絶大な人気を博しているのが「ぴーなっつ最中」だ。落花生の形状を模したしっとり軽い食感の最中種の中には、やわらかいピーナツの甘煮入りの餡(あん)がギッシリと詰まっている。
「元祖看板商品は羊羹ですが、今は『ぴーなっつ最中』が一番の売れ筋です。小売と納品も含めると全体の1割以上を占めていますよ。やはり千葉といえば落花生のイメージがありますから、それをお菓子で表現したいと考え商品化しました。餡の甘さの調整や、ピーナッツの風味を出すため研究を重ね、よりピーナッツらしさが楽しめるよう工夫しました」と諸岡社長。和菓子の枠に捉われず、より多くのお客さまに親しみをもっていただきたいとの想(おも)いからパッケージにもこだわった。「これまでの自社商品のパッケージは、堅いイメージで保守的なデザインのものが多かったのですが、今回初めてPOPなデザインに仕上げました」。愛らしいマスコットキャラクターを用いたパッケージと落花生型のユニークな箱は、人気に拍車をかけ、今や年間1000万個以上販売する看板商品に成長した。
 
 
笑顔をつなぐ記念菓の誕生
 
同社は「なごみの米屋」のブランド名にもあるように、「心和むお菓子によって人の心や暮らしを豊かにし、未来を創造する」というコンセプトのもと、日々おいしさを追求したお菓子づくりに取り組んでいる。そんな米屋様に、創業120周年を記念した新たな商品が誕生した。濃厚なミルクの風味が口の中でとろけるように広がる、しっとりやさしい味わいの乳菓だ。ホッとするおいしさに心も和む、その名も「なごみるく」。まさにぴったりのネーミングは諸岡社長が考案したという。商品企画に携わったマーケティング部長の渡邉隆明様に詳しいお話をお聞きした。
 
 
「この度の120周年記念菓は『笑顔をつなぐお菓子』がテーマとなっております。日持ちとおいしさの両面を考慮した結果、味や食感などが幅広い世代から愛されている乳菓なら、記念菓にふさわしいだろうと商品化に乗り出しました。開発にあたり、社長より『味については絶対に他社様に負けるな』と力強い激励を受けましたので、弊社にしかない味の追求に邁進(まいしん)しました。乳菓は個性が出しにくいため、各部署で意見を出し合い30回以上試作を繰り返しました。開発部門は大変苦労しましたが、豊かなミルク感のある納得のいく味に仕上がったと思います。しかしせっかくのおいしいお菓子も、食べていただけなければ意味がありません。プロモーションにも力を入れました。おかげさまで販売開始から5カ月で累計55万個と良いペースで出ています。全社一丸となってつくり上げた一押しの商品ですので、今後もよりおいしくなるように改良を重ね、定番商品として根付かせていきたいです」と渡邉様。120周年記念菓にかける熱い想いが伝わってきた。
 
安心・安全で高効率な生産拠点
これらの看板商品の生産に、弊社の機械をご活用いただいていると聞き、第二工場を訪れた。このたび特別に許可をいただき、製造部長の江口富雄様に生産現場を案内していただいた。
米屋様の第二工場では、「最中生産ライン」3ラインをはじめ、火星人シリーズ、「セットパンナー」、「レベントオーブン」、「RN洗浄機」など数々のレオン機が活躍している。
「『最中生産ライン』は、3ラインを毎日同時稼働し、多い日は最大9万個の『ぴーなっつ最中』を生産しています。以前使っていた機械は、餡の充填(じゅうてん)だけが自動で、最中種を供給するのも、被せるのも人手で行っていました。特に上皮を被せる作業は、技術とスピードを要するので、従業員の中でも作業にあたれる人が限られていたんです。充填機に最中種をセットするのに2人、被せに1人、それ以外に2人…と計5人は必要だったのですが、レオンさんの機械に買い換え、全ての工程が自動化された今は、1ラインにつきオペレーターが2人いれば回せます。人を選ばないし、3人も省人化できたことは大きいですね」と江口様。「もちろん品質の面でも良さを実感していますよ。カットバルブ方式は、固形物入りの餡も綺麗(きれい)な形に充填できますし、重量精度も高い。上皮を被せた時の餡のはみ出しが劇的に減ったことで、余分な手直しをする手間も省けました」。米屋様は当初、「原価低減」を目的として、1号ラインを導入されたが、時代と共に人員の確保が難しくなり、今では「省人化対策」の面でも絶大な効果を生んでいるという。
機械を導入するメリットは、効率と安全性だと話す江口様。「安全で衛生的な商品生産にもうひとつ欠かせない機械があります。それは『RN洗浄機』です。この機械も時間の節約と衛生面の強化に非常に役に立っていますよ。最中種を移送する専用のパレットは分解して洗浄機のラックに入れるのですが、1ライン分が綺麗に敷き詰められるんです。以前は毎日1時間かけて手洗いしていましたが、今は洗浄機のおかげで数分で済むようになりました。従業員の残業も減りましたし、レオンさんの機械には、たくさん助けられていますね」。
この第二工場は2018年、食品安全における国際認証「FSSC22000」を取得。厳しい安全衛生基準の中で、高品質の商品を生産している。

 
機械化に対する想い
米屋様では1974年の第二工場設立時から、弊社の機械をお使いいただいている。45年もの長きにわたりレオン機を続けてお選びいただいている理由について、諸岡社長はこう語られた。「メーカーとして優れているのは当然ですが、企業としての信頼関係をきちんと築けているからではないでしょうか。品質の面だけでなく、営業や技術スタッフの方の対応の良さを非常に感じます。安定生産を求める商品に関しては、体調に左右されず、疲れも知らない機械の方が人より優れていると思います。しかし機械だけで全てが終わるかといえば、決してそうではありません。配合を考えたり、機械の特性を最大限に生かすのは人の力なのですから。これからIoT化が進み、より人が介在しない時代がくるでしょう。その分、味や発想力の磨き込みが重要になりますので、従業員の皆さんにはそこに力を入れて貰(もら)いたいですね」。機械は当たり前と捉えながらも、人にしかできない役割をきちんと理解し、住み分けを図る同社。米屋様はこれからも、人と機械の両輪でおいしさを追求した商品生産を進める方針だ。
 
 
地元と共に成長する
最後に今後の展望について諸岡社長にお聞きした。
「千葉が、成田が、この街が大好きなので、この先も変わらずこの地により深い根を張り、枝を広げていきたいと思います。地元・千葉の魅力を込めたお菓子を増やし、『ここにしかない』という味以外の付加価値やメッセージ性を盛り込んでいく。そしてお菓子を通してお客さまを笑顔にし、地域の発展に貢献していきたいです」と地元愛に溢れた熱いお言葉をいただいた。米屋様はこれからも、お客さまと築いた信頼関係を礎(いしずえ)に、この成田の地で、お菓子を通して人々の暮らしに寄り添う企業であり続ける。
 
 ※価格はすべて税込み。 
 
 
つつむ No.160号 (2020年1月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。
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