導入事例・お客さまの声

お菓子の力で笑顔があふれる日常を 株式会社いづみや(栃木県那須郡)

「マルチサンドライン」、「レベントラックオーブン」ご導入事例
お菓子の力で笑顔があふれる日常を

株式会社いづみや【お菓子の城 那須ハートランド】様(栃木県那須郡)

令和のヒット商品「御用邸(ごようてい)の花」
 例年の観光客数は470万人超、栃木県有数の観光地・那須にある「お菓子の城 那須ハートランド」様。
 
3万1千坪の広大な敷地の中に、「お菓子の城(見学自由なお菓子工場と販売店)」を核とした多彩な施設が並ぶ。
 
2019年の総年商は12億7千万円、普段は人足が絶えない同施設でも2020年は苦戦を強いられた。
 
代表取締役の片桐俊輔様は、
「コロナ禍で、弊社も含め周辺のお店が2020年は4月から丸40日休みました。
もちろんGWもです。休業明けにすぐお客さまが戻るわけでもなく、賑わいを感じたのは9月の連休あたりから。ただし、グループが少人数だったり、修学旅行が近隣からだったりと旅行のあり方が変わっていくのがうかがえました」。
 
そんな中でも「支えとなってくれた」と仰る商品が左写真の「御用邸の花」。令和の改元と共に販売開始したストロベリークリームクッキーサンドで、自社農園のいちごを使った、ほどよい酸味のあるクリームが特徴だ。
 
「1989(平成元)年のオープン以来、スチームアップケーキの『御用邸の月(当時は那須の月)』が人気商品ですが、『御用邸の花』はわずか1年で売上ナンバー3に躍り出た近年一番のヒット商品なんです。レオンさんの『マルチサンドライン』と『レベントラックオーブン』で生産しています」
 
約15年前、同社は敷地内に「那須高原農園いちごの森」を開設。寒さの厳しい時期もいちご狩りを楽しんでいただきたいと23棟の大型ハウスを設置した。大粒のスカイベリーを中心に多品種を栽培しているが、品種により完熟状態は1、2日と短く、平日に完熟を迎えたいちごは冷凍庫に直行することに。
 
「ちょうどサンドラインの更新に悩んでいた時期で、レオンさんに相談したところ、この完熟いちごを使ったクッキーサンドはどうかと提案をいただいて。
試作してもらったクリームが鮮やかで理想の色合いでした。
聞くと冷凍いちごを解凍せずジャムにしてそのまま使ってみたと。
これはいける、お客さまが喜びそうだと思いました。
一般に素材として出回っているいちごは完熟ではないですし、使ったら売価も跳ね上がってしまうでしょう。
弊社ならではの味と価格を実現できるご提案でした。
そういうわけで、『マルチサンドライン』は性能だけでなく、レオンさんをアドバイス役として信頼しての導入なんですよ。
弊社でも配合を工夫したほか、『栃木県といえばいちご』という物語性も相まって、瞬く間にブレイクしました。
今ではいちごが足りなくなってしまい、本店と近隣の道の駅だけの限定販売にしていますが、かえってそれも特別感があって良いようですね」。
 
「お菓子の城」を那須一番の施設に
「お菓子の城」内は4つのエリアで構成される。
 
明るく広々とした空間に50種類以上の和洋菓子が並ぶお菓子の販売所、カフェと栃木のおみやげ販売所、レストラン、そして最大の特徴といえるオープンファクトリーだ。
 
 
1F奥では「御用邸の月」を、2Fでは「御用邸の花」をはじめとしたクッキーサンドなど焼き菓子全般の工程をガラス越しに見学できる。
 
 
取材当日、お子様連れのご家族が興味を持ってご覧になっていたのが2Fの「マルチサンドライン」。
 
「レベントラックオーブン」で焼成したクッキーをセットし、サンドクッキーが成形されるまでの一連の流れを見ることができる。
 
現在、3種類の製品を日替わりで1日5000個生産中だ。
 
見学中のご家族に話を伺うと、
 
「リズミカルな動きが面白いですね。
それに子どもが食べるものは特に気をつかうので、こうやってきれいな工場で衛生的につくられているのを見ると安心します」
 
と、さまざまな相乗効果があることが感じられた。
  今やアミューズメントパークとまで言われる同施設を一代でつくり上げたのが片桐社長だ。
 
「私は福島の出身で、元々は那須のレジャー施設で観光みやげ全般の販売をするサラリーマンだったんです。
後に独立起業して、開通したばかりの東北自動車道のサービスエリアで同様に販売していました。
笹団子が人気だったんですが、業者さんからの欠品が多く、当時懇意にしていた先輩に相談したら『だったら自分でつくれ』と。
怖くて断り切れなかったのが菓子業界に入ったきっかけです(笑)。
 
しかし素人なので笹団子ができたと思っても翌朝には割れてしまって。
本場の新潟県に行けば何とかなるんじゃないかと思い、つてもないのに新幹線に飛び乗りました。
一升瓶2本を持って。
たまたま宿泊した旅館のおかみさんが紹介してくれたのが十日町の和菓子屋さん。
親切なご主人と息子さんで、後にあん炊き用の銅鍋を抱えて那須まで指導に来てくれました。
おかげで何とかうまくいくようになって自社工場を建てることができ、友人に紹介してもらったのがレオンさんです。
最初の包あん機を入れたのが1980(昭和55)年なので、40年以上のお付き合いになりますね。
その後、温泉まんじゅう向けに導入した『USライン』がよく働いてくれたおかげで菓子専業と言えるようになりました」。
 
そして、1989(平成元)年開業の「お菓子の城 那須ハートランド」へつながっていく。
 
「愛知県の『お菓子の城』を見学に行って衝撃を受けました。
菓子づくりの現場が一般の方にとっては新しいエンターテインメントになる。
これを那須の観光施設としてつくったらどれだけたくさんの方に喜んでいただけるだろうかと。
 
資金面を中心に葛藤が続きましたが、やるなら那須一番の施設にしたいと思い9千坪の土地と設備一式を購入しました。
レオンさんの『あんころ餅(那寿福)生産ライン』もその1つで、お客さまを楽しませてくれました。
 
また、四つ折の「那須ハートランドパイ」もオープン時からのロングセラー商品で、現在も生産工程を公開しています。
 
もう30年以上も前ですが、落成式でシャッターを開けた瞬間の、『ウォーッ』という招待客の驚嘆の声を忘れません。
これなら大丈夫だと肩の荷が下りた瞬間でもあります」。
 
 
初年度で年間100万人が訪れ、「お菓子の城」は一躍注目の観光施設に。
次第に隣接地を取得して、観光農園や敷地内を掘削しての温泉施設等を整備。
事業拡大を続け、現在に至っている。
 
 
ご縁への感謝とこれからの取り組み
片桐社長は、
 
「振り返ると、ご縁がご縁を呼んでくれ、すべての出会いに感謝の気持ちでいっぱいになります。
レオンさんには折々で助けてもらいましたし、見学会などで紹介してくださって今も懇意にしてくださるお菓子屋さんがたくさんいます。
うちの従業員も良い人が集まってくれました。
お菓子はいつの時代も人の心を豊かにしてくれるもので、それを支えてくれている皆さまに感謝です。
厳しい状況ですが、私たちがお菓子を通していかに喜んでいただけるかという責務は変わりません。
業界一丸となってお菓子の力で笑顔があふれる日常を取り戻したいですね。
これまでも震災や台風といろいろなことがありましたから…」。
 
今後については、
 
「観光のあり方は変わっていくと思う一方で、商品、施設そのものに魅力があれば、行ってみたい、自分で購入して食べたい、おみやげをシェアしたいという気持ちは変わらないと思います。
今は準備期間と割り切って、那須の豊かな資源や素材を生かした新商品や新設備の検討を続けていきます。
これからも皆さまに喜んでいただけるような企業を目指してまいります」。
 
常にまわりを大切にする温かいお人柄の中に潜む、熱い情熱が伝わってきた。
 
 
つつむ No.164号 (2021年1月号)掲載
※文章内の表現・表記は、すべて取材当時のものです。   
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